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眼瞼痙攣ボトックス治療
症例報告 No.7 眼瞼痙攣ボトックス治療
眼瞼痙攣(がんけんけいれん)・片側性顔面痙攣(へんそくせいがんめんけいれん)は眼のまわりの筋肉が,自分の意志とは関係なく痙攣する病気です。ここでは、当院で行われているボトックス治療についてご紹介させて頂きます。
眼瞼痙攣とは?
これは5年前にスキーで転倒して以来、頭痛、頚部痛、頭重感、頚部重感、倦怠感などの症状があり、幾つもの病院で診てもらうも異常なしと診断された後、当院にて検査(MRIミエログラフィー)をおこなった際の画像です。赤丸で囲んである所を見れば脊髄液が画像右側に漏洩しているのが分かると思います。
症状や検査結果を元に脊髄液漏症候群(低髄液症候群)と診断しました。通常このような症例では、ブラッドパッチ(患者本人の静脈血を直接患部硬膜外に注入し、血栓により穴を塞ぐ方法)で治療を行うことが多いのですが、頚椎での髄液漏洩だったため、頚椎への穿刺は脊椎損傷をもたらす可能性があること、腰椎からの穿刺では血液が腰から首まで上がらない。との理由から当院では外科的処置を施しました。
治療内容
痙攣しているまぶたの筋肉に、痙攣を抑える作用をもつボツリヌス毒素を注射します。その効果は3~4カ月間持続し、効果がなくなった時期をみて再注射するという治療法です。 ボツリヌス菌は一般的に食中毒の原因として知られていますが、この場合は菌が食物と一緒に体内にはいり、毒素が放出され腸から大量に吸収される結果、全身の筋肉が麻痺するという中毒症状です。しかし、長年の研究の結果この毒素を少量だけ抽出し、痙攣している筋肉に直接注射することでその筋肉がゆるみ、痙攣がおさまるという効果を医薬品として利用します
- -注射後,2~5日で効果が現れてきます。
- -2~4週間で効果が最大になります。
- -3~4カ月で徐々に減弱していき,再び注射前の症状に戻ります。
- -再投与後は4~5カ月の持続効果が期待できます。
注射後,通常3~4カ月経過すると,眼瞼痙攣・片側顔面痙攣の症状が再び出てきます。まばたきが多くなってきた,まぶしさを感じるようになってきた,などの症状が再び出てきたら,再投与の時期となります。
眼瞼痙攣、片偏性顔面痙攣に対するボトックス療法は、所定の研修及びボトックス使用の認定を受けた医師のみしか施行できません。当院では和田院長が認定を受けてます。